178回目の更新の今日、猪苗代湖の湖南と布引高原へと取材を兼ねた小さな旅に出かけます。
暑さのぶり帰り…それが残暑でして会津盆地はヒートアップ! 人も場所も。でも秋はもう間近ですね。
磐梯山を囲んだ一円は、黄金色に光る稲穂と白い花を咲かせる蕎麦畑の見事なコンビネ
ーションの色合いに包まれています。
先日はその蕎麦畑の魅力を探るために、いろいろと出掛けてまいりました。
今回の紀行文は、蕎麦をテーマにして皆様にお届けいたします。
「会津蕎麦紀行」
今、最も旬なのが会津の蕎麦。信州そばと肩を並べるその旨さは別格であった
安曇野、戸隠、小諸、蓼科などを含めた信州、長野県。
ここはまさしく蕎麦の国である。
例えばうどんで言うならば「讃岐うどん」のように、信州そばというのは大変
メジャーなブランドの呼称となっている。
若かりし頃、私はよくその長野県へと蕎麦目当てに旅したものだった。
もちろん故郷の富士山麓周辺も蕎麦の栽培も盛んではあるが、信州そばの規模には
到底敵わない。
これに対抗というより匹敵する規模をもつ場所が、会津地方である。
これが世にいう「会津そば」なのである。
蕎麦の生産は日本各地で行われていて、その大半が日本国土の内陸部で栽培されている
が、近年はその生産拠点が北海道へ移動している。
これは地球温暖化の影響であると思われるが、まだまだ本土の内陸部の高原や山間部で
の栽培は活気を帯びている。
特に会津は綺麗な空気と水の恵みを受け、また農家の懸命な努力によって蕎麦畑は更に
拡大を見せている。
しかし日本の需要に国内の蕎麦の流通には限界があり、最近は中国から輸入されたもの
が多く出回っていると聞く。ただ気をつけなければならないのが含有成分である。
ルチンの過剰すぎる多さやメタミドホス、そしてメラミンなどが混入している場合もあ
るということで、やはり安心して食せる日本国内産の蕎麦が安全であるといえよう。
十割蕎麦はつなぎが難しいと聞くが、日本の蕎麦職人の技はこういったところでも
光っている。
そして何よりも旨いと感じるのは、その原材料の蕎麦だけでなく良質な水は絶対に欠か
せない。また二・八そばのように混ぜる小麦粉の質の高さや、つなぎとしての山芋など
も厳選した素材が織りなすハーモニーなんだなと感じる。
だから小麦2割、蕎麦8割の二・八そばが、八・二そばと逆にならないことを祈る。
江戸時代は蕎麦屋は今でいうところのファーストフード店であった。
店名は公表しないが今も東海道では主に国道一号線沿いで、蕎麦とうどんだけの店が
随所に存在している。
それは江戸時代の東海道そのものであり、いわゆる旅人の茶店の面影を今も残して
いるのである。
私は静岡市手前の「由比漁港」近くの店に立ち寄ったことがある。
ここは「桜エビ」の日本一の漁獲量を誇る町で、その蕎麦の上に乗った "かき揚げ" の
桜エビの食感と香りに大いに感動したものである。
現代人の、そうした昔の古き伝統を継承していることに私は頭が下がる。
新蕎麦の収穫が目前に来ている。
会津そばは今年はどんな風味をもつのだろうか…。
今からこうして待ちわびることは、とても楽しいことでもあるのだ。
終わり
今日も良いお天気です。
ただ昨日よりももっと暑くなるということです。
皆さまも十分に体調にお気をつけてお過ごしください。
今日の最後のポートレートを載せて、次回またお会いいたしましょう。
それでは次の更新まで ごきげんよう メイ♪