連休最終日に103回目の更新。会津紀行~その②~を掲載します。
私の書いた小説「メイとコーヒーとニャンコたち」は96.000文字の大作となりました。「会津紀行」ではそれに匹敵するかもしれない…。それだけこの地域は奥が深いのです。完成できるのか、それとも未完成のままか。今の私にもそれはわかりません。
昨日のブログで公開した会津のバードビューをもう一度載せますね。この絵画から想像
して、紀行文とてして照らし合わせてみてください。
第1話 ~その②~
日本第4位の湖「猪苗代湖」 そして2つの顔を持つ「磐梯山」心を寄せて
もう2年ほど前になるだろうか。
猪苗代湖の南側「湖南地区」に訪れたことがあった。
白い砂浜が妙に印象的に残っている。
北側の長浜辺りは、磐梯山が噴火して、その火砕流というか溶岩が湖に流れ込んで
荒々しい雰囲気を醸し出しているが、湖南はまったく正反対の顔を見せている。
ここでは海水浴ならぬ、湖水欲が楽しめるのだ。
松林の中に点々と何やらコテージ風の建物がある。
シーズンになると賑わうに違いない。
ここで面白い風情を発見した。
公衆トイレがなんとも多いこと! 確かに湖水欲やキャンパーのために数多くあるのは
納得するが、なぜ面白い発見かというと、そのトイレのデザインは一戸共、同じものは
ない。私も建築家なので、ぜひ設計してみたいなと久しく建築設計から遠ざかっている
ので、そんな夢だけはもった。
≪もし私だったら、この空間に溶け込むカラーリングにするか、もしくはカリブの国の
ように鮮やかで陽気な建物にするか…≫
そんなことを思いながら、湖南の松林を散策したのだった。
さてその湖南から北上して国道49号線に合流しよう。
その交差点を左折すると、小さな公園がある。
トレイもなければ売店なども当然ない。ここの魅力はまさに夕日を浴びてキラキラと輝
く湖面の周りを散策するにはピッタリである。そこにも白い砂浜があり、つかの間の疲
れを取り除いてくれる。
そこが「上戸浜」というパーキングエリアだ。
「どうした? メグミちゃん」
「ああ…マコトさん。
ワタシね、ここを見て駿河湾の淡島を思い出したの。だって西伊豆の風景に似てるか
ら…。」
「そうだな。俺も最初にこの国道を走ってみてよく似てるなぁと思ったものだ。」
そのうちメイもクルマから降りてきて、メグミにこう言ったのである。
「メグミちゃん、帰ろうと思えばいつでも帰れるのよ。でもね、今私たちはこうして
ここ会津にいるのよ。まだ私たちには大勢の人たちにこの素晴らしさを伝えなければ
いけないの。」
ノスタルジーは誰もが持っていて、それが時にはセンチメンタルな気分となる。
この上戸浜にはそうした何かがあると感じている。
いわゆる湖水に近い分だけ、岸に打ち寄せる水の音が一種の瞑想に通ずるものがあるか
らだ。こういう時こそコーヒーブレイクと洒落こみたいものである。
トンネルを抜けると3分足らずでセブンイレブンに到着するから、その旨いカウンター
コーヒーを片手に、静かな湖面を眺めて過ごしたい。
裏磐梯にも足を伸ばしたいところだが、今回は長浜から望む薄暮に近くなった光景で
今日の紀行文は、次に続くとしよう。
「旅~旅行」というのは本当に準備段階ではワクワクするものですね。
そして出掛けた先での数々のシーンや会話、そして食に舌鼓をするというのも旅の
醍醐味です。
一人旅、二人旅、家族揃っての旅、友人同士…いろいろなパターンがあります。
でも一日の中で体験したもので一つでもいい。
自分の心の成長となるものを得たならば、その旅は成功したのです。
それは遠くに行かなくてもいいんですね。
旅とは名所・観光だけではなく「心の旅」として実は私たちのすぐ目の前にあるので
す。それに気づくことです。
それでは次の更新まで ごきげんよう メイ♪